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MTSATには航空ミッションに係るアンテナとして、衛星本体の両側にLバンド用の直径約3.4mの大型のアンテナが2基、本体の地球面デッキにKu及びKaバンド用のアンテナが2基設置されている。それぞれのアンテナの配置は図3.2.1−3に示すとおりである。
(a)Lバンドグローバルビーム
航空機との通信を行うために、東経140度の静止軌道から可視範囲全体をカバーするビーム(図3.2.1−4)で、後述するスポットビーム外での航空機との通信や航法信号の送信に使用される。偏波面は右旋偏波を利用する。
(b)Lパンドスポットビーム
Lバンドのスポットビームは、トラフィックの輻鞍する北太平洋地域の航空機と効率的に通信を行うために、利得の高いスポットビームを組み合わせて通信を行う(図3−2−1−4)。スポットビームについても偏波面は右旋偏波を利用する。
(C)フィーダーリング
Ku及びKaのフィーダリンク用アンテナは、複数のホーンとリフレクタによりKuは4ヵ所・Kaは3ヵ所のスポットビーム(図3.2.1−5)を形成する。Kuバンドは隣接するビーム間で水平偏波と垂直偏波を交互に使用するが、Kaバンドにっいてはすべて水平偏波を使用する。
なお、Ku及びKaのレフレクターは可動構造で、軌道位置を変更した場合にも地球上のビームパターンをほぼ同じに設定できる。

図3.2.1−4 Lバンドのアンテナパターン(グローバル及びスポットビーム)

図3.2.1−5 フィーダリンクのカバレージ
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